エンジンオーバーホール編 2回目


始動時に1気筒死ぬことは多々あったわけですが,とうとう,始動すらできなくなりました.


そのため,バキュームホースや点火系などいろいろ確認したのですが,燃料も噴いてるし,火も出てる.

ちょっと始動でミスるとすぐかぶる.なので,圧縮漏れ? の疑いが,,,

最後の手段でコンプレッションテスターで圧縮を測るとまさかの8.5,6.2,6.5.

組み付け時が9.5なので,かなりの劣化ぶりとなります.8年と3万キロくらいしか乗っていないのに.

ちょっと,想定外.

水も減るからヘッドガスケットかと思われます.

とりあえず,エンジンおろすしかないので,作業場所の確保と準備を行います.

 

 

もう何回もやっているので,大した苦労もなく,サブフレームごと車両から抜出し,分解を始めます.

まずは,原因を究明すべく,ミッションとエンジンを分離する前に、ヘッドを御開帳.

バルブ曲がりとか,いろいろ想定してましたが,まさかのヘッドガスケット抜け.

それも,そこ?

2番と3番つながってんジャン.

って、ことは、2気筒か(爆)


原因はわかりませんけど,ヘッドガスケットのつぶれ方がいびつなのと,ガスケットがピストンにあたってるし.

ブロック面研しすぎたのかな?

てか,ガスケットが燃焼室側に入ってきているのが,そもそもおかしいけど.

 

 


2番,3番はピストンも首振っているみたいなので,ブロック交換します. 在庫が2個あるので,,,


なので,これ以上はばらさず,ニューエンジンを組むことにします.

ってか,ミッションもオイルが漏れてきているので,こちらもオーバーホールが必要です.

でも,こちらも在庫があるので,在庫をオーバーホールして,現エンジン+ミッションはこのままお蔵入りにしようかと,,,

というわけで,しばらく時間がかかりそう.

さらに,エアコンのコンデンサからもガス漏れの染みが,,,12だからな.134に変えるかな?



在庫のぼろヘッドをOHしようかと思い,まずは,洗浄から.

 

 

きれいになったものの油圧ラッシュアジャスタが外れない.

まあ,確かにかなりオイル管理は悪いエンジンだったけど,排気側のアジャスターは全滅.

2個は完全にヘッドに固着で,アジャスタはバラバラになってしまう.でも,何やっても外れない.

このヘッドお釈迦カモ.というわけで,ヘッドは今までのを使うことにします.

ブロックは某所で面研だけして内燃機屋さんへ行く予定だったけど,なかなか,時間が取れずにそのままボーリング屋さんへ.

面研はしたほうが良いとのアドバイスを受けつつ,ブロックを預けました.2週間くらいで完成予定とのこと.

完成の予定が見えてきて,年内完成も可能な感じです.



ボーリングが終了するまで,ミッションのオーバーホールを進めます.

油まみれのミッションケースを洗浄液へ.で,1週間放置し,洗浄液から取り出し,高圧洗浄します.

これで,ピカピカです.

 


予定通り,某所の内燃機屋さんへ行き,ブロックを引き取ります.

その足で実家により,業務終了後,夜からさらに某所へ移動し,ブロックとヘッドの面研をします.

昨晩加工したヘッドとブロックを高圧洗浄して,干して,準備完了です.

 

 
 

ミッションの組み立てをします.と言っても,整備書通り,並べて,ガスケット塗って,終了ですけどね.



で,結局のところ,年は明け,地道にオイルポンプとかストレーナとか,ひたすら部品を洗っては,乾かしてを繰り返します.

同時進行的に,クランクとピストンをブロックに組み付けます.最近,お気に入りの和光ケミカルの薬品を使いながら,,,

 



が,ウォータポンプやオイルポンプなどのスタッドボルトや位置決めピンとかある意味消耗品がなく,,,

急遽,モノタロウで発注したのですが,まさかまさか,位置決めピンが1ヶ月後とか言う状況です.

これじゃオイルポンプもクランクリアもカムホルダーもつけられず.

なので,できることから進めていきます.

 

現行のヘッドのバルブすり合わせと組み付けを行い,現行のブロックとミッションを切り離し,フライホイールとクラッチを救出します.

ジャンク部品置き場から,オイルパンも拾ってきて,どうにか使えそうなので,現行ブロック&ミッションはこれ以上ばらさずにすみそう.

現行ブロックは,オーバーサイズ用に保管して,660cc用も腰下は在庫ありなので,しばらくは安泰.

思いのほか部品も早く届いたので,さっさとオイルポンプ,ウォーターポンプ等々の取り付けです.

その後,今回のヘッドガスケット抜けの原因の対策として導入したメタルガスケットを使用して,ヘッドを取り付けます.

 

  

 


エンジンスタンドからエンジン下ろして,リアのクランクのオイルシールつけて,

エンジンスタンドに戻し,ストレーナとオイルパンつけて,再びエンジンスタンドからおろし,

フライホイールとクラッチつけて,ミッションと合体.

 

数ヶ月ぶりにエンジンが車両に戻りました.

エンジン搭載の残務をして,エンジンかけて,試運転して,とりあえずは問題ないことを確認して,今回の作業は完了となりました.

 

 

 

余談

ヘッドガスケット抜けの原因はわからないですが,某雑誌にちょうどヘッドガスケットの記事があり,原因が分かった気がします.

 

「暖気不足」

 

そもそも,そんなに出来の良いエンジンではないですし,ヘッドガスケットの材質はかなりいまいちです.

合わせて,熱流れ解析もいまいちと思われます.

 

理由は,ヘッドを剥がすとわかりますが,排気側のヘッドガスケットが異常につぶれ,

ヘッドにもブロックにもガスケットの痕跡がはっきりと出ます.

それに対し,吸気側はそれほどでもないです.

 

これは,排気側の熱膨張が大きく,力の逃げ場所がなく,ヘッドガスケットが余計につぶされていることが想像されます.

これが,繰り返されることで,ヘッドガスケットが塑性変形してしまい,漏れが発生するのではないかと思います.

ですので,きちんと暖気をしてあげれば,急激な温度変化による熱膨張の差は少なくなると思われます.

 

うちでは,走りながら暖気がモットーなので,せいぜい30秒くらいしか暖気しません.

これが,裏目に出てしまい,3万キロでヘッドガスケットが抜けたと考えると説明がつきます.

 

ちなみに,8年前のオーバーホールした要因は1番でしたが,ヘッドガスケット抜けです.

この推測が正しければ,きっちり暖気をするか,ガスケットの材質をいまのトレンドのメタルガスケットに変えることだと思います.

うちでは,なかなか暖気をすることは難しいので,今回はメタルガスケットを採用しました.

これで,少なくとも10万キロくらいは持つと思われます.残念ながら,実証できるとは思いませんけど.